6.10.2012

愛の手紙

ジャック・フィニ
「ゲイルズバーグの春を愛す」 収録

たぶん、高校生位の時に読んで、その後、どこかの古本屋さんで見つけ
て懐かしさのあまりに購入。久しぶりに引っ張り出して読み直した。

今読んでも、とても良い話だなぁ。

ジャック・フィニはこれしか読んだことがないのだけど、映画化されて
いる作品もあるのね。

古いものを「古くさい」とか「翻訳が時代遅れ」とか、そんな理由で、
いまいちと判断する人も少なからずいるみたいだけれど、シェークスピ
アも源氏物語も、夏目漱石も森鴎外も普通に読み継がれているのだから、
ちょびっと想像力を働かせて、素直に読んでみると良いのにね。

ドストエフスキーはかなり難解でしたね。なんせ、カラマーゾフの兄弟
の1巻を読み終わるのに20年くらいかかったから(笑
#途中でめげて放置していた。が捨てる勇気もなかった。

なじみの無いロシアの文化や、独特の言い回しや、聞きなれない名前と
ニックネームの展開に慣れれば、ものすごく面白い世界だった。

たぶん、5周位して、それからしばらくは、あちこち拾い読みしてた。
長いし難解なので、ぱらぱら読みすると新しい発見があるんだよね。

その後出た新訳も読んだけど、かなり気持ち悪かったです。
こんなさわやかなのは、ドストエフスキーじゃない、って感じで。

翻訳ものは賞味期限はあるので、時代にあった翻訳がでるのは当然だと
思うし、新しい解釈や、当時の日本にはなくて無理やり作った(翻訳者が
苦労したと思われるような)造語や、そういうものはもっとスマートに
なるものも多いよね。

今みたいに外国の文化を知る機会が少なかった時代に、外国の作品を
どうやって日本に伝えるかを考えると意訳が強くなる物も多かったの
だと思う。未だに映画では邦題が付くしね。

なんて話を書いてみたのは、
Amazonの低評価の理由が「古くさい」みたいなのを見かけたから。
好き嫌いだからいいんだけど、もったいないなぁと思ったのでした。

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