1.05.2012

プリンセストヨトミ

久しぶりに新しい小説を読んだような気がする。
 
年末に、実家に行ったとき映画の話になって、プリンセストヨトミは、
まぁまぁ面白かったよ、と話をしたら原作を兄が持っていた。
そういえば、鴨川ホルモーも兄からの借り物だったね。

大阪出身、京都で学生時代をすごした作者だけあって、大阪愛にあふれ
ているね。

ここ数年、ちよちゃんちにお邪魔するのに何度か大阪に行ったけれど、
そういえば大坂城は行ったことがないですね。遠くからも見たことはな
い気がする。

万城目学氏の小説を読んでいると、新緑が思い浮かぶのは気のせいか。
もしかしたら鴨川ホルモーでの刷り込みかしらね。
こういう文章、好きです。

さて、映画の感想とクロスしてめいいっぱいネタバレです。

設定を変えたところが多々あるけれど、大きな違いは
旭氏と鳥居氏の性別
 ->旭氏は女性、鳥居氏が男性
松平氏の父の職業
 ->官僚のエリート。その反発もあり父に会わなかった
旭氏がOJOを実地検査にいれた理由
 ->日本国内閣が裏で糸を引いてるが、単純な好奇心も

そもそも、
旭ゲインズブールをなぜ男性にしたんだろ?
キャストありきのオトナの事情なだけ?

松平氏が "鬼の松平" なのにOJOを不問に、大阪国なんぞ知らないと言
い放つ理由が、日本国政府が黒幕だったことを知ったからで、親子の愛
や、自分が得ることのできなかった父親との最後の時間に対する後悔な
どが理由じゃない。
 さらに、わざわざ松平氏に「父が官僚っていうのは嘘だ」と嘘をつかせ
たり、平田満氏がさびしそうな病院のピンク電話から連絡をよこす回想
シーンを入れたりと意味不明な演出が…。

旭と大輔が太閤で交わす会話が、この物語のもうひとつの柱。
男だけが大阪国民を名乗れることになっているけれど、そんな国家は存
続できるわけもなく、ちゃんと大阪国を支えている大阪の女達がいる。
映画でここをはしょったのは、とてももったいないと思う。

1.5時間の上映時間の中に、すべてを収めるのはとてもムリなのはわかる。
でもつじつまを合わせるために、適当に嘘をついたり、こっちの方が分か
りやすい=制作側が表現しやすいからと、ごにょごにょとごまかしたり。
それをアレンジとして、うまくまとめてくるならそれでもいいけれど、見
終わってからのモヤモヤが気持ち悪い。


邦画はそんな映画しか作ってはいけない、なんていうルールがあるの?

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