8.08.2011

映画 [七人の侍][インセプション]

[七人の侍]
黒澤明監督 1954年(昭和29年) 

三船氏演じる菊千代は、山犬のような…って設定なんだけど、ほんとに
わんこのような、武士に憧れる百姓出の男だった。

黒澤明監督は、三船敏郎氏を愛していたんだねぇ。

この時代の映画は耳慣れない言葉と、デジタル加工しているとはいえ、
オリジナルの音の悪さから、セリフを聞き取れないことが多くて、特に
時代劇は難しくてこれもそうだったのだけど、全部見終わってから日本
語字幕があるのに気づいたよ!

冒頭部分で聞き取れなかったところを、字幕付きで見ていたらちゃんと
利吉の妻がどうなったのかを暗示するシーンがあったじゃんね!

さすがに長いので全編見直しはしなかったけれど。

モノクロに慣れると脳内で補完をするらしく、明らかにわかるものは、
色が着いてるよう見えてくる。
例えば、山の緑とか、一面の白い花や、赤い椿の花。

田植えのシーンが実はモノクロだったのに後から気づいた。
村に野武士を入れて闘う、あの雨のシーンの後の田植えのシーンで、
きれいな新緑に見えていた。

ひとののーみそは不思議だわ。

しかしこの時代の映画は、実に静かだね。
刀の当たる音や、人が切られる時の過剰な効果音もない。
それでも、圧倒的な映像の強さ。

ほんとうに、すごいとしか言いようがない。


[インセプション]
2010年。

レオナルドディカプリオ様の出ている映画を見るのは初めてかも。

ひとの夢の中に入り込んで情報を盗む企業スパイの話。
といっても、寝てるひとの潜在意識に潜入するというわけではなくて、
夢を共有してターゲットの夢に干渉し、秘密を聞き出す。

ディカプリオ様は、渡辺謙氏演じるサイトーから、とあるターゲットに
「盗む」のではなく「植え付ける(インセプション)」を依頼される。

その作戦とパラレルで進んで行くのが、レオナルドディカプリオ様が作
り上げた夢と現実の境界が曖昧になった亡き妻との世界の物語。


通常は、死ぬ事で目が覚めるが、インセプションは難しいために特別に
調合した鎮静剤を使用して眠るために、死んでも目が覚めない。
そして虚無の世界におちてしまうという。
そこは、永遠に後悔と懺悔で老いて死を待つだけという世界。


死ではなくて、永遠。
ディカプリオ様の妻が選んだ夢が真実の世界。
CGすごーい!ではなくて、哲学的なテーマを見据えながら見るととても
面白い映画だと思う。

しかし、現実世界の5分は夢の第1層では10倍、2層では×倍、と世界観
というかシステムを理解するのがちょいと難しい。
 

ディテールは違うけれど、世界観は「世界の終わりとハードボイルドワン
ダーランド」に似ていると思いながら見ていた。

計算市と記号士、記号士があやつるやみくろ。
壁に囲まれた世界。そして永遠の無。

だからなんだといわれれば、別になんでもないんだけど、あの話も映像
化するのは難しいだろうなぁ。


それにしても、
サイトーはどーなったのさっ?

0 件のコメント: