12.29.2011

自炊代行を考える(推敲中)

先日、作家が自炊代行業者2社を提訴しました。
なるべく詳しく書いてあるところを探してみたけど、あまりなかった。

マスメディアのニュースのまとめ方にも悪意を感じるね。
東野氏の「売ってないから盗るというのは泥棒だ」なんて、そんな過激
な言葉を使ったら、マスメディアの思うつぼじゃないか。
伝えたいことが伝わらなければ、記者会見の意味がないのに。

さらに、情に訴えるようなことをいっても意味がない。

裁断したものが正視に堪えないというのなら、
お風呂で湿気でしわしわよれよれになったのは?
いつもジーンズの尻ポケットにいれて、激しくくたびれたのは?
バッグのなかで折れたり曲がったりは?
コーヒーのしみがついたのは?

「こんなになるまで読んでくれて、この作品を愛してくれてありがとう」
なんて言っちゃったら、激しくアウトだ。

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わたしなんて、白状しちゃえば、京極夏彦氏の本は勝手に分冊している。
理由は簡単で、電車の中で読めないから。
京極堂シリーズ、ノベルズ版のデフォルトの状態だと、片手ではもてない。
ページがめくれない。下手すると放り出してしまう。
仕方ないので背中をカッターナイフで切り分け、テープでとめている。
本をバラすのはかわいそうだと思うけれど、 背に腹は代えられない。
それでも、もう何周も読んでいる。

わが家に自炊装置があれば、 問答無用で自炊している。
何しろ荷物が減る。iPhoneはいつも持っているから問題ない。
いつでもどこでも拾い読みができる。
活字中毒者にとって、こんなに幸せなことは無いよね。

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問題は、自炊行為そのものではなく、自炊したデータがでまわること。
それを同時にかたるから、よくわからなくなる。

提訴した作家の中に、名前を連ねている大沢さんも個人の自炊は問題
ないといっている。

大沢在昌氏のコメントを引用する。

http://www.osawa-office.co.jp/weekly/archives/523.html
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

オイラの考え方をここで改めて述べるならば、自炊行為
そのものを読者の方がやるのに対しては何ら咎めだてを
する気持ちはないのですが、業者によってス キャンされ
た電子データが簡単にコピーできる、それからスキャン
に使われた裁断本がさらにネット上で売られているとい
う状況は、個人的には今後出版業界の 未来を明るく変え
る可能性があると考えている電子書籍事業全体に海賊版
の出現によってマイナスの影響を与える、そういう危惧
を抱いているわけです。した がって今回原告団のひとり
に加わったのです。

提訴された業者は "代行" のはずのPDFをためて使い回しているらしい。
さらに代行を依頼していない人にもPDFを流してるとかなんとか。
そりゃー、いかんでしょ。

だからここだけを問題にすればいい。

自炊しているひとを泥棒よばわりする必要もないし、ましてや本がかわ
いそうだなんて情に訴えることは論点からまったくずれた話なのだ。

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そういえば、どこかのニュースサイトに、
自炊するために裁断した本を、持ち主に返すのがだめ、みたいな書き方
をしているところがあったんだけど、それは正しいの?
あくまで私的利用目的の複製なので、オリジナルとコピーはセットでOK
なんじゃないの?


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実際に、自炊をしたい人たちは、自分の本棚をなんとかしたいから、
時間と手間を代行してくれるサービスに依頼するわけだ。
そもそも、どろぼーは自炊代行サービスなんて関係ないだろうし。


そんなわけで、考えた。


業者に依頼する際には、すべての本の、適当なページに自分の印(しるし)
をいれて代行してもらおう!
自炊代行サービスを買う権利を守るために、みんなで一手間かけよう!

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